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宅建業

【宅建業の免許を取るには!】専任の宅地建物取引士の「常勤性」と「専従性」とは?

2020.07.22更新

今回は宅建業において最重要人物と言える、専任の宅地建物取引士の「常勤性」と「専従性」の詳細解説のお時間です。
専任の宅地建物取引士となるためには、いわゆる「専任性」と言われる要件をクリアする必要があります。

専任性の要件をクリアするためには、

① 事務所に常勤すること(常勤性)
② 専ら宅建業の業務に従事すること(専従性)

の両方を満たす必要があります。

でも常勤性・専従性ってどこまで求められるの?世の中って色々あるやんか?と疑問がわいてきますよね?

そこで今回は大阪府の手引きや実際に起こりそうな事例を交えて、考えていきましょう!

大阪府が求める常勤性の定義とは?

大阪府の手引きから抜粋すると、

■常勤性
宅地建物取引士が当該事務所に常時勤務することをいいます。
常時勤務とは、宅地建物取引士と宅建業者との間に雇用契約等の継続的な関係があり、当該事務所等の業務(営業)時間に当該事務所等の業務に従事することを要します。

≪常勤性が認められないとされた事例≫
・在学中の大学生
・社会通念上、通勤可能な距離を越えている場合
・別企業の従業員や公務員である場合

≪大阪府が求める常勤性のポイント!≫
①事務所に常時勤務すること
②宅地建物取引士と宅建業者との間に雇用契約等の継続的な関係があること
③勤務する事務所の営業時間に当該事務所等の業務に従事すること

≪疑問点解消コーナー!≫
・大阪府ではパートさんやアルバイトさんでも、勤務する事務所の営業時間、例えば朝9時~午後5時までと決まっている場合、ちゃんと事務所で朝9時から午後5時まで事務所で仕事しているのであれば、常勤性が認められます。

・しかし、朝9時~午後5時までのうち、午前だけ、午後だけって場合は常勤性は認められません。

・社会通念上、通勤可能な距離を越えている場合の目安ですが、大阪府では、概ね片道1時間半以上かかる場合に確認資料として定期券等が確認されます。

大阪府が求める専従性の定義とは?

コチラについては、令和2年4月1日より大阪宅建業免許申請の際に必要書類となった、
『宅地建物取引業法第31条の3第1項に規定する専任の宅地建物取引士の設置等に係る誓約書』から抜粋します。
※こちらについては後ほど詳細解説いたしますね。

〇専従性
専任の宅地建物取引士は、専ら当該事務所等の宅地建物取引業に従事する必要があります。
この『専ら』とは、当該事務所(免許業者)が宅地建物取引業以外の業種を兼業している場合等で、
当該事務所において一時的に宅地建物取引業の業務が行われていない間に当該免許業者の他の業種に係る業務に従事する場合を除き、専任の取引士の兼業は認められません。(他法人等の兼業は不可)

また、免許業者が兼業している場合において、建設業法等の法令により専任を要する業務に従事しよ
うとする(している)場合等は、他の業種の業務量を斟酌のうえ専任と認められるものを除き、専任の宅地建物取引士とは認められません。

≪専従性が認められないとされた事例≫
・複数事務所での専任の取引士として兼務
・監査役が専任の取引士を兼務
・一人会社の代表でありながら、別会社の専任の取引士を兼務

≪大阪府が求める専従性のポイント!≫
①専任の宅地建物取引士は、専ら当該事務所等の宅地建物取引業に従事する必要がある。
②原則として、専任の取引士の兼業は認められない。
③ただし建設業法等の法令により専任を要する業務に従事しようとする(している)場合等は、他の業種の業務量を斟酌のうえ専任と認められる可能性がある。

≪疑問点解消コーナー!≫
・大阪府の場合、同一法人(または同一個人業者)、同一場所(同一建物)で勤務する場合に限り、
個々のケースで、勤務実態、業務量を斟酌し常勤性・専従性に問題がないと判断できる場合は建設業の「経営業務の管理責任者」「専任技術者」と、宅建業で常勤性や専従性が求められている「政令の使用人」「専任の宅地建物取引士」を兼務することが出来る場合があります。
 ※新規免許申請の際は、兼務に関する申立書が必要になります。

・一人会社の代表が、別会社で専任取引士となりたい場合は、単独代表をしている会社にもう一名代表者を置いて、専任取引士となりたい人に対して非常勤証明書を発行してもらえば他の会社の専任取引士になれる場合があります。
 ※非常勤証明書という書面さえあれば兼務が認められるという意味ではなく、ちゃんと勤務する必要があるので、ここは注意してください。

・専任の宅地建物取引士が行政書士業、司法書士業等の自由業に従事している場合、個人事業として兼業している場合のみ専任取引士として認められる場合があります。他の法人等に雇用されている場合はダメです。

・契約社員や派遣社員さんでも宅建業者がその社員を指揮命令できる関係にあれば専任取引士になれます。
※アルバイトさんやパートさんも当該事務所等の業務(営業)時間に当該事務所等の業務に従事していれば、専任の宅地建物取引士になれる余地があります。

最後に、大阪府では専任の宅地建物取引士の専任性を確認するための書類が令和2年4月1日から変わりましたので、こっちについても触れておきますね。
これメチャクチャ大事なんで、しっかり見てくださいね。

令和2年4月1日からの専任の宅地建物取引士の常勤性・専任性の確認方法(by大阪)

令和2年4月1日から大阪府では専任の宅地建物取引士の専任性を確認するための書類が変わりました。

令和2年4月1日まで大阪府では、専任の宅地建物取引士の常勤性・専任性を確認するため
社会保険被保険者証(コピー) + 社会保険被保険者標準報酬決定通知書(原本提示)が必要でした。

それが令和2年4月1日からは、

①「宅地建物取引業法第31条の3第1項に規定する専任の宅地建物取引士の設置等に係る誓約書」
※専任の宅地建物取引士3名ごとに1部必要です。
②「専任の宅地建物取引士の宅地建物取引士証の写し」
※全員分必要です。

に変わります。つまり健康保険証等を提出する必要がなくなったんですよね。
※社会保険に入らなくてもいいって話じゃないので注意してくださいね。
 大阪府は必要に応じて当該事務所等の調査等を行い、出勤簿、賃金台帳、各種契約書の控え、社会保険の加入状況のわかる書類等の提出を求める場合があります。

さらに、
新規免許申請者(法人)が宅地建物取引業以外の業種を兼業している場合において、専任の宅地建物取引士が建設業法等、他の法令による専任を要する業務に従事している場合は、
上記①+②に加えて『法令による専任業務の兼務に関する申立書』が必要となります。

ただ、この書類は超絶不親切なことに指定様式がなく、自社で考えて作成する必要があります。

記載を求められる事項ですが、
①宅建業の専任の宅地建物取引士として想定される業務量(例:〇H/週等)
②他の法令による専門業務に従事している業務量をそれぞれ具体的に記載
を記載した上で、両方の業務に支障なく従事できる旨を記載した書面を提出する必要があります。
(申請者(法人の場合は代表者)と専任の宅地建物取引士の押印が必要)

さて、ここでメチャクチャ疑問なんですが、

1.選任の宅地建物取引士が建設業法等、他の法令による専任を要する業務に従事している
2.1週間の勤務時間を40時間と仮定
3.この1週間で従事する勤務時間内訳割合が宅建業4時間、建設業36時間

この場合、専任取引士としての『専従性』が認められるか?

普通に考えれば、従事割合が宅建業1:建設業9なので、専ら宅地建物取引業に従事するとは言えない状況じゃないの?ってなりますよね?
この疑問について、大阪府に疑問点をぶつけてみた結果、
『1週間の営業時間中に、専任取引士と建設業の専任技術者を兼ねている人が、ちゃんと勤務していて、かつ宅建業がちゃんと回っているようであれば、
 勤務時間従事割合が宅建業1:建設業9であっても、差し支えない。』
とのことでした。
要は、他の法令による専門業務に従事している専任取引士がちゃん事務所に常勤していて、宅建業を誠実に行える状況ならOKって感じでしょうかね。
※こういった状況で申請する場合は念のため、大阪府に確認してから申請することをオススメいたします。


終わりに

今回は専任の宅地建物取引士の「常勤性」と「専従性」にフォーカスを当ててみました。
宅建業免許申請にあたって、この情報がお役に立てば非常に嬉しいです。

ただ宅建業において最重要人物と言える、専任の宅地建物取引士の「常勤性」と「専従性」だけで、
これだけの論点が出てきますので、一筋縄ではいかないのもまた事実です。

ローイット関西行政書士事務所では宅建業免許申請の他にも、建設業許可、建設キャリアアップシステム登録、産業廃棄物収集運搬等にも対応可能ですので、
お困りの方はお気軽にお問い合わせください!